
2025.06.11
【戻り苗活用事例】60年以上「木」を扱ってきたニューチップ運送の「森への恩返し」
NEWS
導入事例
購入者が苗木を育て、山に植林することで、誰でも山づくりに参加できる新しいカタチの観葉植物「MODRINAE(以下、戻り苗)」。
今回は、そんな戻り苗を活用し、森林保全に取り組む有限会社ニューチップ運送様の事例をご紹介します。
ニューチップ運送様は、丸太材・木くず・パレット・枝葉・根、様々な木材を回収し、木質チップを製造している会社です。「一片の木くずもムダにはしない」という思いの元、木を大事にされてこられました。
今回は、戻り苗と「木」という共通点を持つニューチップ運送様が、なぜ戻り苗に参加されたのか、そして、どのような思いを抱いているのか…などについて、取締役の佐々木 正江さん・木くず(解体材等)の収集・運搬を担当されている安井 得洋さん・事務を担当している伊部 幸恵さんにお話を伺いました。

ニューチップ運送様について
木材に特化したリサイクル事業を行っています。丸太材・木くず・パレット・枝葉・根、様々な木材を回収し、木質チップの製造をしております。一片の木材もムダにはしない。木材の価値を最大限に活かし、とことんリサイクルさせていただきます。
参考:ニューチップ運送様 公式HP
戻り苗は「森への恩返し」
ー ニューチップ運送さんとは、「木」を活用しているという点で勝手ながら親近感をいだいております…!どのような事業をされているか、教えてください。
佐々木さん:
私たちは、木材に特化したリサイクル事業をしております。山の木を伐る森林組合さん、解体家さん、製材屋さんなど…事業をされる中で出た廃材を集めて木質チップを製造しています。木質チップは紙やティッシュペーパー・燃料などに生まれ変わります。現在は石油代替えのバイオマス燃料としても使われています。

ー 50年以上、木材に関わり続けてこられたとお伺いしました。その中で大事にしてこられたものはありますか?
佐々木さん:
木は育つのに数十年という長い年月がかかります。育った木を伐るのも命懸け。木で作られた家屋には、たくさんの思い出が詰まっています。
だからこそ、一片の木くずもムダにはしないと決め、木質チップの製造をしています。

ー まさにSDGsにも、事業やその思いが繋がりますね。
佐々木さん:
そうですね。不要になった木材の回収やリサイクルを通して、地球環境を考え、未来の森を守るためお客様と共に環境保護に取り組んでいます。
特に、少しでも多くの木くずを活用できるように、選別は人の手で行っています。

ー 「戻り苗」にご参加いただいた背景にも、「木材を大事に使う」という思いがあったとのことですが、参加の決め手はどのようなことがあったのでしょうか。
佐々木さん:
林業に携わり65年以上が経ちました。ずっと山からの恩恵をいただいて事業が成り立ってきました。そこで、山に恩返しがしたいと思っていたんです。そんな中、日経新聞で「戻り苗」をみて、「これだ!」と思ったんです。
自分で苗木を育てて、植林という形で山に戻せる。これこそ、未来の森につながる恩返しになるはず…そう思い、1週間後にソマノベースさんに会いに行きました(笑)

ー わざわざ和歌山にお越しいただきましたよね!とても嬉しかったです。その節は、ありがとうございました!
佐々木さん:
私たちも、実際にお会いできてよかったです!直接お話を聞いて、「これだ」という思いが一層強くなりました。
私たちの会社でやっていることや木の魅力について、社員さんとその家族にも理解してほしい。会社から社員さんへ、社員さんから家族・その友人へ…と広がり、多くの方々に木や山について知って欲しい。
そんなことを思っていたこともあり、社員一人一人が苗木を育てようと決めました。そして、全社員分の戻り苗を購入したのが始まりですね。実際に参加してみて、「どんぐりから芽が出るって知ってた?」とか、「木の根が土砂災害を防止しているんだよ」とか、木や森について話す機会も増えたようです。
それぞれの家族で育てる戻り苗
ー 実際に育てていただいた安井さん・伊部さんを交えて、戻り苗の感想もお聞きできればと思います!参加いただいた素直なご感想をぜひお聞かせください。
安井さん:
楽しかったですね。僕の家庭には、子どもが4人います。戻り苗は家族全員集まる部屋においていました。
水やりは僕が担当していたのですが…実は、続かないかな、なんて思っていたんです。ですが、成長具合が目に見えてわかるようになってから、毎日の変化を見ることに楽しさを覚えました。いつの間にか水やりは続いていたし、家族全員で観察をするようになっていましたね(笑)それくらい、楽しかったです。

ー 戻り苗をつくった当初、「お子さんと一緒に育てる景色を育めたら…」と思っていたんです。なので、このようなお話が聞けて嬉しいです!伊部さんはいかがでしたか?
伊部さん:
水やりや管理は主人がして、私は成長を見守っていたのですが、日々成長しているのがわかって楽しかったです。また、夫婦の会話も増えましたね。「成長が遅いね」「葉っぱが出たね」なんて話していました。
実は、10年ほど前に、どんぐりを拾って庭に植えたんです。今では2m以上になりました。今回育てた苗木も、また大きくなっていけばいいなと思っています。
ー 育てる中で悩んだことや工夫されたことはありますか?
安井様:
成長が止まった時期があって、少し心配していました。ずっと室内にいるのもかわいそうか…と思い、日光にあてて、頻繁に光合成をしてもらうようにしてみたんです。そうするとまた成長が進み、安心しましたね。
伊部様
私たちのどんぐりは、芽が出るのが遅かったんです。なので、少し不安を感じていました。でも、1つ目が出たと思ったら、次々と芽が出ました。我が家ではずっと外に置いていたので、葉っぱもしっかりした丈夫な苗木が育ちましたね。
ー 約2年間育てていただき、山へ返す際はどんなお気持ちでしたか?
安井様:
僕より奥さんのほうが心配していました(笑)僕が毎日ちゃんと水やりをするのをみて、まさかこんなにちゃんと育てるなんて…と驚いていたんです。「枯れたって嘘ついてもっていかんとこ」なんて冗談で言っちゃうくらいには可愛がっていましたし、少し寂しかったです(笑)また育てたいですね。
伊部様:
主人が嫁に出す気分だといっていました(笑)同じように、寂しさがあったようです。


「福井の森」への恩返しを目指して
ー これから、どのように森と関わりたいですか?
地元の山からたくさんの恩恵(木材)をもらってきたので、地元の山に恩返しをしたいと思っています。
以前、福井県で植林される苗木は、県外から購入していることが多いと聞きました。なので、福井県で育った苗木を福井県で植えられるようになると嬉しいと思っています。まさに、福井県の森にかえる「戻り苗」ですね(笑)
ー 私たちも、日本中で未来の森づくりをしたいと思っています。ぜひご一緒したいです!
その際には、多くの方に関わっていただきたいですね。社員はもちろん、家族や地域の方々に、年代やお仕事など関係なく、幅広い皆さんにご参加いただきたい。みんなで山のことを知って、守っていきたいと思っています。
ー 地域の森だからこそ、地域で守っていく。その循環が楽しいものになると良いですね。引き続き、よろしくお願いします!