2026.09.07
【イベントレポート】大阪府内「初」の森林由来J-クレジットから探る!「実践企業・自治体・林業・IT・コーディネーター」5つのリアルな視点から紐解く、企業と森の新しい関わり方を再定義する共創イベント in QUINTBRIDGE


9月4日、大阪のオープンイノベーション施設・QUINTBRIDGEにて、企業・自治体・林業現場など5つの異なる立場のプレイヤーをお招きした共創イベントを開催いたしました。当日はお足元の悪い中であったにも関わらず、事前キャンセルを除き定員に対してほぼ100%の参加率となり、皆様の森に対する圧倒的な「熱量」を感じる時間となりました。綺麗事抜きのホンネで「企業と森の新しい関わり方」を探った、白熱の一日をレポートします。
開催概要
- イベント名: 【9/4 大阪開催】大阪府内「初」の森林由来J-クレジットから探る!「実践企業・自治体・林業・IT・コーディネーター」5つのリアルな視点から紐解く、企業と森の新しい関わり方を再定義する共創イベント in QUINTBRIDGE
- 開催日時: 2026年9月4日 13:00~16:00
- 主催:株式会社ソマノベース
- 会場協力: QUINTBRIDGE(NTT西本)
- 登壇者: NTTドコモビジネス(株) 藤浪様 / 河内長野市 須藤様 / 日本モリマー(株) 吉井様 / 大信製材(株) 出口様 / Playful(株) 岡崎様 / (株)ソマノベース 松下
オープニング | なぜ森林率「最下位」の大阪で開催するのか?


冒頭では、モデレーターの松下より、本イベントの開催背景と目的が語られました。
現在、多くの企業が脱炭素やネイチャーポジティブへの関心を高める一方、現場では「自社が森とどう関わればいいか選択肢がわからない」「費用対効果(ROI)や社内説得のロジックが作れず後回しになる」という壁に直面しています。さらに、大阪は森林面積率が国内最下位であり、従来の「植林・間伐」といった直接的な関わり方だけでは関係人口を増やすことが難しいという地域特有の課題があります。
「森林面積率が全国最下位の大阪だからこそ、一過性のPRで終わらない『森との新しい関わり方』を再定義する」。
この日(9月4日)は、ソマノベース創業の原点である「紀伊半島大水害」からちょうど15年の節目。2026年5月に誕生した「大阪府内初の森林由来J-クレジット」を起点に、本日のゴールとして「①自社なりの仮説を作る」「②一社だけで完結させない」の2つを掲げ、綺麗事抜きの議論がスタートしました。
第1部 インプットセミナー | 5つの立場からのショートプレゼン
第1部では、5つの異なる立場のプレイヤーから、それぞれのリアルな視点でプレゼンを実施。クレジット購入、企業の森活動、地域産材活用(木糸など)といった多様なソリューションが提示されました。
- 支援側(IT):NTTドコモビジネス 藤浪 俊企 様
「見えにくい『森の価値』を可視化する。通信大手が森林クレジットプラットフォームに挑む理由」 - 自治体:河内長野市 須藤 暁史 様
「大阪初のJ-クレジット創出の舞台裏。自治体のリアルな課題と、企業に求める『新たな共創』のカタチ」 - 実践企業:日本モリマー 吉井 友子 様
「『やって終わり』にしない企業の森活動。社内を巻き込み、森林保全を自社の価値に変えるまでの泥臭いプロセス」 - 林業・木材業:大信製材 出口 傭平 様
「『植樹だけが森づくりじゃない』。林業や木材業の現場のホンネから探る、企業と森の本当に求められる関わり方」 - 支援側(木糸):Playful 岡崎圭介 様
「『木を着る』という、最も身近な森の出口。アパレル発の『木糸』から仕掛ける、全社を巻き込む新たな森林保全のカタチ」




第2部 クロストーク・ディスカッション | 現場のリアルと企業のホンネ
第2部は、「森林保全を事業にどう繋げるか? 〜現場のリアルと企業のホンネ〜」をテーマにディスカッション。目的(WHY)と手段(HOW)の整理がつかず足踏みする企業が多い中、綺麗事だけではない「自社に合った関わり方」のパズルを完成させるべく、2つの軸で議論が白熱しました。
- テーマ①:【WHYの再定義】(大信製材様・河内長野市様)
「そもそもなぜ森に関わるのか?」という問いに対し、受け手である林業現場や自治体の視点から深掘り。「正直、企業からのこんなアプローチは現場として困る・ズレている」といった耳の痛い話や、「お金以外にどんなリソース(人・技術など)を持ち込んでほしいか」など、現場のリアルな声が共有されました。 - テーマ②:【HOWの再定義】(NTTドコモビジネス様・日本モリマー様・Playful様)
実践・支援企業へは、「具体的に何をやり、何に苦労しているのか」を直球で質問。「社内稟議や予算獲得の壁をどう突破したか」「自社の本業とサステナビリティをどう紐づけて言語化しているか」など、事業として成立させるまでの泥臭い失敗談やプロセスが赤裸々に語られました。


第3部 ネットワーキング・交流会
インプットを経て、第3部の交流会では、参加者が「自社なりの仮説」を持ち寄り、あちこちで熱心な情報交換が行われました。その後の懇親会にも、登壇者・参加者併せて20数名もの方々にご参加いただき、夜まで熱気と連帯感が続く素晴らしい一日となりました。


参加者の声(アンケートより)
当日は約40名の方にご参加いただき、多種多様な業界の皆さまにお集まりいただきました。アンケートで寄せられた感想の一部をご紹介します。
【講演内容・事例について】
- 「様々な形で森林と関わっている企業様の事業内容が知れて興味深かったです。各社色々な方面から取り組まれていて参考になりました。」
- 「実際に取り組みを進めている自治体や企業の担当者のお話を聞くことができ、自社の今後の施策について具体的なイメージをつかむことができました。」
- 「森林に関する取り組みの社内導入の進め方など、普段あまりオープンに話されないことが聞けて良かったです。」
- 「戻り苗を実際に導入されている企業の方のお話が聞けて、とてもイメージがわきました。」
【交流・ネットワーキングについて】
- 「複数の企業・自治体の方と意見交換できました。多様な参加者の方との交流、情報交換ができ、とても有意義でした。」
- 「懇親会で掘り下げた情報交換ができて大変有意義でした。」
まとめ
「社会にとって良いこと」と「企業のビジネスロジック」。長年その狭間で格闘してきたからこそ、費用対効果を求められる企業側の苦しさも、「ただ植樹されても困る」という現場のリアルな声も痛いほど分かります。
近年、企業が森に関わる目的や手段が多様化する一方で、「植えて終わり」「クレジットを買って終わり」といった【手段の目的化(一過性のPR)】に陥ってしまうケースが増えています。だからこそ今、企業と森の関わり方を本気で「再定義」する必要があるのです。
森との関わり方に、たった一つの正解はありません。 重要なのは、綺麗事抜きのホンネで対話し「自社なりの仮説」を作ること。そして、その解像度を上げるために「一社だけで完結させない(共創する)」ことです。 今回、物理的に森と距離がある大阪という地で、5つの異なる立場のプレイヤーと参加者の皆様が交わり、事業に直結する新たな関わり方を模索できたことは、大きな一歩だと確信しています[cite: 1]。
悪天候の中ご参加いただいた皆様、素晴らしいご登壇者の皆様、本当にありがとうございました。これからも一緒に、「企業の力で、森はもっと面白くなる。」を形にしていきましょう!
Kimmitz College(キミッツカレッジ)とは?
「森に関わるためのKnowledgeをOpenにしよう。」をコンセプトに、より多くの方が森と関わるきっかけを得られるよう開催している無料ウェビナー(およびイベント)です。
脱炭素やネイチャーポジティブが注目される一方で、企業がいざ森林に関わろうとすると「専門的すぎる」「何から始めればいいか分からない」といった壁に直面しがちです。本企画では、実際に一歩を踏み出している企業や現場を支える専門家をお招きし、「企業の視点」と「現場の視点」の双方から、調べてもなかなか得られないリアルな声をお届けしています。これから森に関わりたい方、活動をアップデートしたい企業の皆さまにとって、新たな一歩を踏み出すきっかけとなることを目指しています。
今後のウェビナー・イベントの最新情報はこちらから:https://somanocollege.peatix.com/
